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MG Zガンダム(初代) [ガンダム]

 

数ヶ月前に組み上げたMG ゼータガンダムである。Ver.2.0ではない。れっきとした初代MGゼータである。

近頃100作目がリリースされたこのマスターグレード(MG)シリーズ。このゼータガンダムはMGシリーズとしては5作目、しかしながら3作目(ザク2F/J)、4作目(G3ガンダム)はバリエーション1作目と2作目のバリエーション展開だったため、事実上新規作としては3作目となる。

当時、このMGシリーズは今後の展開が明確にはメーカーより示されておらず、ユーザーとしても今後は1/100としての究極ディテールモデルがリリースされるのか図りかねているところであった。そこへ来てのゼータガンダムリリースであったのだ。

そこでメーカーより示されたのは衝撃的な事実であった。まずこれまでディテールの詳細をプロデュースしたのがかの大河原邦男氏であったのに対し、新進気鋭のカトキハジメ氏の起用。そして、これまで不可能とされてきたデザインが破綻しないカタチでのモビルスーツ形態からウェーブライダー形態への差し替え無し完全変形へのチャレンジだったのだ。

 

ファンをやきもきさせながら完成したそれは、全く驚くべき内容であった。デザインは所謂アニメラインではなく、今日で言うところの「Ver.Ka」的にリファインされたものの、それは当時の技術で差し替え無し変形+フォルム両立という難題をクリアする段階で必然的に出てきたもの。変形の最大の難問であった腕をいかにしてあの薄い胴体に収納するか、という問題を、肩部アーマーパーツを内部に収納するギミックやフライングアーマーの展開時に出来る空間に腕部を収納するアイディアなど、まさに空間把握能力の天才カトキ氏の面目躍如たる仕事であった。

さらにこのMGゼータには全体に渡り統一されたデザインコンセプトがあったのだ。それは「モビルスーツを航空機として表現する」ことであった。そもそも変形した姿が航空機をイメージする形であるので至極妥当なことであるのだが、当時ここまで思い切ったことにユーザーは驚いたものである。翼部のモールド、航空灯のクリアパーツ再現、ピトー管パーツ、デカール再現された編隊灯、フラップに良く見られるNO STEPデカール、ウェーブライダー時の降着用スキッド式ランディングギア、加えて市販モデル初の立体化となったハイパーメガランチャーにも、ウェーブライダー形態時のキャリー状態のためにランディングギアが新解釈で付加されていたことなど・・・・ さらに、背部スタビライザーには編隊灯を再現したものとして電飾ギミックまで盛り込まれてあったのだ(下写真)。電飾ギミックが盛り込まれたMGシリーズはこの後に知らない。キャラクターモデルとしては破格のトライアルだったことが伺えよう。

 

 数々の信じがたいトライアルを盛り込まれてリリースされたこのMGゼータであるが、そのリリースから10年以上経つ間に数々の批判を受けることとなった。特に致命的と言われてきたのが関節の保持力の不足であった。特にウェーブライダー形態にした際にフライングアーマーがボディに密着せず間の抜けた感じになったり、モビルスーツ形態では自立すら困難でポーズ付けも難しいと言われてきた。この点をパーフェクトグレード、およびMGZプラスで改良し、さらにVer.2.0で完成させたことは記憶に新しいことである。しかし、残念ながらVer.2.0には初代程の「こだわり」的側面は見当たらない。キットとして完成されているが故に、却って初代の前衛さが際立つのである。

前置きが長くなってしまったが、ここでこの初代MGゼータを組んでみた感想を記そう。何を隠そうこのキットは当時発売直後に購入したものである。実に10年以上寝かせてしまった。もったいないことである。しかし、プロポーションは全く古さを感じない。なお、掲載の写真は私がMG史上最高のボックスアートと思っているMGゼータVer.2.0のポーズをモチーフにしたものである。

組んでいて思ったのは、前述の「保持力の無さ」とは全く逆の硬すぎるくらい関節各部がしっかりしていたことであった。もしかすると長年寝かせていたことでポリキャップが硬くなったか。とまれ、硬すぎるために写真のようなポーズを取っても各関節が重くなって下がるようなことはない。

完全変形モデルでここまでのポーズを取らせることができる。なんとも素晴らしいことである。しかしやはり困ったこともあった。実はウェーブライダー形態を取らせたことが無い。できないのである。あまりに股関節部分の変形が硬くて難しく、力任せにやると破損する恐れがあまりにも大であったからだ。

ゼータガンダムというモビルスーツを愛して止まない私としては、このような優れたキットがリリースされていることは喜びに尽きない。100作を飾ったMGシリーズにとっても、このキットのリリース無くして今の姿は無いものと思っている。この古いながら優れた意欲的なキット、是非多くの人に組み立ててもらいたいものである。これはキャラクターモデルの金字塔だと思う故である。

MG 1/100 Zガンダム MSZ-006

MG 1/100 Zガンダム MSZ-006

  • 出版社/メーカー: バンダイ
  • メディア: おもちゃ&ホビー


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